作文練習

真理を記載しています。

2022-01-01から1年間の記事一覧

幸運なことに私は物心がついてから一度も葬式というものに参加したことがなく、故に喪服というものを持っていなかった。しかし人というのは突然死ぬもので、そして直後に葬式が執り行われることを考えておくと適当なものを用意しておいても良いだろうという…

体重

最近、体重計を購入した。元々体重を定期的に計量するという習慣のなかった私なので(寧ろ多くの人間にそのような習慣があったことに一時は驚かされたが)、この数年は自宅に体重計のない生活を送っていたのだ。しかし自分の記録を残していくことを好む私にと…

依代

自室の整理が苦手だ。 幼いころからそうであったが、独り暮らしを機にその原因の一端に気付くことが出来た。要はものを捨てることが苦手なのだ。だから引っ越し当初は比較的整理された部屋を保っていたのに2年以上経過した現在は目も当てられないのだ。 とい…

食事

生来の偏食傾向で特に幼いころはかなりの苦痛を味わった。 大人というものはとかく「好き嫌いをする子供」を矯正させようと躍起になるもので、家庭の食事でも学校の給食でも私は問題児であった。きっとそういう人間は「なんでも食べられる良い子」として育っ…

ホームシック

思えば私は結構ホームシックになるタイプなのだと、旅行の度に思い知らされる。日帰りの外出については何も思わないし、泊りの旅行でも日中にはそれを忘れている。しかし夜が近付くにつれ、自分は今日家に帰らないのだと強く意識され、どことなく不安で、浮…

好きな小説、憧れの人物

私にも憧れの人物がいたことに最近気付いた。 伊坂幸太郎の小説「チルドレン」の中の登場人物の陣内という人間*1だ。この小説はいくつかの章に分かれていて、それぞれ陣内の友人が語り手として登場し、陣内との物語を展開していくというもので、陣内はこの小…

イデアと翻訳とラプラス変換と

私は林檎を手に取る。私は林檎を手に取る。私は林檎を手に取る。 今、私は異なる三つの林檎を手にした訳だが、文章の上でそれは伝わらない。言葉とは便利なもので、こんなにも大きさも、重さも、形も、色も、味も異なる物質を「林檎」として一括りに指示する…

大人に嫌われていた

大人に嫌われる子供だったと思う。今でもさして変わらないのだが。 特に親戚からは、嫌われてはいなかったにしても、可愛がられてもいなかった。 親戚の数がそんなには多くない家系で、定期的に会うのは両祖父母と叔父伯母が数人とその家族くらいなもので、…

宗教行為

宗教について問われたときに無宗教と多くの日本人が答えるが、神の存在を信じず一切の宗教的儀礼を行わない人間を無宗教と言うべきであって、初詣とかしている人間が無宗教と答えるのはおかしい、的な言説が昔から為されている。私自身も上記のような人間で…

浪人して良かった

私は大学受験に於いて一度浪人した。 現役時代は本命校と滑り止め校の二つのみを受験し、滑り止め校には合格していたが、悩んだ末*1浪人して再び本命校を受験するという選択を採った。 その選択をして本当に良かったと今では思っている。勿論浪人当時は苦し…

好きなもの

「引っ越すとしたらどんなところが良い?」と訊かれたら「ベランダから空が見えるところ」と答える。 「山登ってて何が楽しいの?」と訊かれたら「空が見えること」と答える。 私は空に焦がれる。 雲一つない青空が好きだ。草原的なところで寝っ転がりながら…

誕生日

誕生日を祝われるのが苦手だ。それ故にある時期から能動的に誕生日を口外しないようにしている程だ。誕生日を祝われた瞬間から祝ってくれた相手の誕生日を祝わなくてはいけないという呪いが私に生じる。多分それが嫌なんだ。 しかしそんな私は他人の誕生日を…

憂鬱

とても憂鬱だ。面接なんてしたくない。しかし内定は取りたい。 何故内定を取りたいかというと、さっさと就活を終わらせてしまいたいからだ。正直就職先に強い思い入れがあるわけではないし、ある程度の範囲で適当なところに入社できれば何でもよいような感じ…

日常会話の論理

「論理的な喋り方」「非論理的な喋り方」のような表現があることから分かるように、我々は会話の背景に論理の存在を措定し、それに忠実かどうかをある程度判断できると考えている。故に日常会話を精査していくことでその背後に潜む論理の姿を白日の下に晒す…

代謝

切られる爪や抜け落ちる体毛、水に流される便などを見て、これらはさっきまで「自分」だったんだよなと思う。 毎日毎日自分を入れ替えながら生きていて、それでも自分は自分であると思い込んで生きている。仮に爪をすべて剝がしても体毛をすべて抜いてもそれ…

ナンセンスとの境界

論理哲学論考を読んで比較的初歩に理解できる主張として「文の成立」がある。 文は単語に分けることが出来、単語の組み合わせで文を生成することができる。生成された文について、真偽判定の出来る「有意味な文」かトートロジー若しくは矛盾といった「無意味…