作文練習

真理を記載しています。

2021-01-01から1年間の記事一覧

一般的な特殊性

「誰もが皆オンリーワン」というのは非常な皮肉である。アイデンティティの確立のためか知らないが、あらゆる他人との差異を探して「自分は誰かと同じではなく自分自身なのだ」と高らかに宣言した瞬間にその特殊性こそが人類共通であったことに気付かされる…

男装をしている

自然科学、特に物理学の考え方として、「過去の経験から帰納して一般法則を見出す」というものがある。一度でもリンゴが木から浮かび上がっていたら、万有引力の法則は現代にまで生き残っていないだろう。いつだってリンゴは木から落ちて、月は地球に向かっ…

幸福論

ユートピア小説というジャンルがある。別に小説のジャンルに詳しくないからいつ頃流行ったとかはよく分からん。その名の通り人間たちの理想郷を描く小説なのだが、しかしそれらは往々にして国家権力等の支配によって強制的に幸せになっているだけなので、寧…

所感

「何のために生きているのか」と問われると大概の人は答えに窮する。或いはそれらしい答えを並べることが出来る人もいるのだろうが、しかしそれは問われたから答えるのであって、常に生きる理由を掲げながら生と死の狭間を歩いているわけではない。多くの人…

論理が先か、言語が先か

論理という概念を編み出した人類は、言語を論理によって体系づけようと目論み、やがて論理に立脚して言語が存在しているという認識を生んだ。それに対して論理がアプリオリかどうかとか言って反駁することによって言語の復権が行われた。 「論理が先か、言語…

老倉育と意味

"意味なんてないわよ。意味なんて嫌いだもの。"というのは終物語に於ける老倉育の発言の一つである。これを鑑賞して感傷に浸るだけで終わっても良いのだが、折角なのでこれの"意味"するところを考えてみよう。 まずは老倉育のキャラの柱である自己嫌悪から話…

自分語りが下手

自分について語るのが苦手だ*1。人と話すときも必然人の話に対してリアクションや掘り下げをするだけで、自分から自分の経験を話す機会は少ない、ように感じている。世の中には自分について語るのが得意な人間がいるようで、私とサシでそれなりに話すことが…

比喩について

「科学は一種の宗教である」的な言説を聞いたことがあるかと思う。そもそも科学とは「他人の信じることを信じる」という実践であるから、原理的に信仰を内包しているとも言える*1。特に自然科学に於いて、個人的にかなり信仰くさいと思われるのは「ない」も…

If I were a bird,

"If I were a bird,"のような表現を仮定法過去を習った段階で目にしたことがあるかと思うが、今回はそのようなことが起こりうるのかを考えてみたい。 まず、"If I were a bird,"と言う時、「人間として生まれてその記憶を持ったまま鳥へと変化したら」、とい…

死ぬのが怖い

私は生まれてこの方特定の宗教を信仰したことがない。神社へ参拝したり仏壇に手を合わせたり聖歌を歌ったりしたことはあるが、少なくとも私はそれを信仰と呼ぶと思っていない。勿論私が宗教を信仰するということを重く捉え過ぎているというのはあって、恐ら…

社会性の喪失

人間は社会的な生き物である。そんなことはない、という人は社会性が足りていないことを自覚しよう。人間は社会的な生き物なのである。 人間社会を成り立たせるための一つの大きな原則として、「自分がされて嫌なことは他人にしない」という子供に言い聞かせ…

時間について

「『時間』とは何か」という問いに対してあなたはどう答えるだろうか。今回私はこれに対して「『時間』は言葉だ」と答える。その過程について述べる。 「世界五分前仮説」についてご存知だろうか。たとえ世界が五分前に(あなたや地球や宇宙も含めて、それぞ…

文の解釈について

L. Wittgenstein 著 「哲学探究」§80~§100を念頭に置いて 自分の講義レポートより転載 哲学書を読むのが難しいのはなぜなのだろうか。つまり、哲学者の考えは既に文章という形で本人の手によって纏められているのだから、それを読めば当然その考えが理解で…